インフラエンジニアであれば使う場面の多い「mvコマンド」
Linuxコマンドの中でも特にlsコマンドはよく使う方は多いのではないでしょうか?
中には、プログラミング学習をする時の環境構築で入門サイトに書いてあったのを見たことあるという方もいるのではないでしょうか。
また、意味は分からんけどとりあえず、サイトに書いてあったからコピペしたという方もいると思います。
今回は、そんな「mvコマンド」について解説していきます。
mvコマンドとは
mvコマンドとは、「move」の略でその名の通り、ファイルやディレクトリを移動させるために使用されます。
ファイル名の変更にも用いられる多用途なコマンドです。
基本的な構文について、以下のような感じです。
mv [オプション] 移動元 移動先
1. 移動元の指定: 移動させたいファイルやディレクトリの名前を入力します。パスが現在のディレクトリと異なる場合は、適切なパスを指定する必要があります。
2. 移動先の指定: ファイルやディレクトリを移動させたい場所を指定します。これも完全なパスである必要があります。ファイル名の変更の場合、新しいファイル名をここに記述します。
3. オプションの使用: mvコマンドには様々なオプションがあります。例えば、-i
(interactive)オプションを使うと、ファイルを上書きする前に確認を求めるプロンプトが表示されます。これにより、誤ってファイルを上書きするリスクを軽減できます。
例えば、以下のコマンドは、example.txtというファイルを現在のディレクトリから/home/user/Documentsディレクトリに移動します。
mv example.txt /home/user/Documents
このコマンドにより、example.txtは現在のディレクトリから指定されたディレクトリに移動されます。
ファイルの移動方法
ファイルを移動する場合、移動元と移動先のパスを指定します。例えば、document.txt
を/home/user/Documents
に移動させるには、以下のようにコマンドを入力します。
mv document.txt /home/user/Documents
ファイル名の変更方法
mvコマンドを使ってファイル名を変更することもできます。変更方法は非常に簡単で、新しいファイル名を移動先として指定するだけです。例えば、oldname.txtをnewname.txtに変更する場合、次のようにします。
mv oldname.txt newname.txt
ディレクトリの移動
ディレクトリもファイルと同様に移動できます。例えば、old_directoryを/home/user/new_directoryに移動する場合、次のようにコマンドを入力します。
mv old_directory /home/user/new_directory
mvコマンドのオプションについて
mvコマンドは、その基本機能だけでなく、いくつかの便利なオプションを持っています。これらのオプションを使うことで、ファイル操作の柔軟性と安全性を高めることができます。
-iオプション
ファイルを上書きする前にユーザーの確認を求めるオプションです。
既存のファイルを誤って上書きしてしまうリスクを防ぐのに役立ちます。
例えば、以下のコマンドを実行すると、file1.txtをfile2.txtに上書きする前に確認が求められます。
mv -i file1.txt file2.txt
-nオプション
既存のファイルを上書きしないようにmvコマンドを指示します。
意図せずデータを失うことを防ぐために有用です。
例えば、以下のコマンドを実行した時、
mv -n document.txt /path/to/destination/
/path/to/destination/
ディレクトリ内にすでにdocument.txt
という名前のファイルが存在する場合、mvコマンドはdocument.txt
の移動を行いません。
-vオプション
実行される各操作の詳細を表示します。
何が移動されたのか、どのファイルが影響を受けたのかを正確に知りたい場合に特に役立ちます。
例えば以下のコマンドを実行すると、file1.txt
とfile2.txt
がどのディレクトリに移動されたのか、その詳細が表示されます。
mv -v file1.txt file2.txt /path/to/destination/
-uオプション
移動先のファイルが移動元のファイルより古いか、存在しない場合にのみファイルを移動します。
バックアップを取る際などに有用です。
例えば、バックアップディレクトリにoriginal_file.txt
が存在し、それが元のファイルより新しい場合には、移動は行われません。
mv -u original_file.txt /path/to/backup/
まとめ
今回は、「mv」コマンドについて、解説しました!
mvコマンドは、ファイルやディレクトリを移動、ファイル名の変更させるために使用されます。
オプションを使いつつ、間違えてファイルやディレクトリを上書きしないように注意しましょう!
また、復習したくなった際は、当記事をご参考いただけると幸いです。