エンジニアとして働いていると、よく耳にする言葉の一つに「デグレード」があります。「デグレード」と聞くと難しい印象を持つ方もいるかもしれませんが、実はとても身近でよくある現象なのです。今回はそんな「デグレード」の意味からその原因、そして防止するための具体的な方法まで、実体験も交えて詳しくまとめました。
「デグレード」とは何か?

「デグレード(degrade)」とは、ソフトウェアやシステムにおいて、新しい変更や修正を行った際に、既存の機能が意図せず動作しなくなったり、性能が低下したりする現象を指します。要は「改善したつもりが逆に悪化してしまった」という状況ですね。
エンジニアの方はよく「デグレってる」とか聞いたことあるかもしれませんね。
例えば、新しい機能を追加したら、以前正常だった別の機能が突然動かなくなった…というような経験を持つエンジニアは多いでしょう。私自身も現場で何度かデグレードに遭遇し、深夜に対応に追われたこともあります。
なぜデグレードは発生するの?主な原因3つ
デグレードの主な原因としては、以下のようなものがあります。
① コードの影響範囲を見誤る
新しいコードや修正を加える際、その変更がどこまで影響するかを完全に把握するのは難しいですよね。特に、大規模なシステムでは思いもよらぬ箇所に影響が出ることがあります。
② 十分なテストが行われていない
忙しい現場ではテストが後回しになることがあります。しかし、「ちょっとした修正だから大丈夫だろう」と軽く考えていると、デグレードのリスクが急激に高まります。しっかりとしたテストが行われていないと、予期せぬバグが混入する可能性があります。
③ コミュニケーション不足
チーム内のコミュニケーションが不足していると、仕様の理解や認識がずれることがあります。その結果、間違った修正を行ったり、既存のコードを誤って削除したりといったデグレードが発生します。エンジニア間でよく「そんな仕様聞いてないよ!」といったやり取りがある場合は要注意ですね。
デグレードを防ぐための具体的な方法
では、デグレードをどうやって防げばよいでしょうか?現場で実際に取り入れて効果があった方法をいくつかご紹介します。とはいえ、当たり前やんとなると思いますが。。
1. 徹底したテスト環境の整備
まず、重要なのは徹底したテスト環境を整備することです。単体テストや結合テスト、そしてエンドツーエンドのテスト環境を整備することで、変更が他の部分に影響していないかしっかり確認することが可能になります。自動化されたテストを導入することで、日々の修正に対しても安心感が増しますよ。
2. コードレビューの習慣化
チーム内でコードレビューを習慣化することで、書いた本人が気付かなかった影響やミスを見つけることができます。他人の目が入ることで客観的な指摘を得られやすくなり、結果的にデグレードを防止できます。私自身もコードレビューで多くの問題を事前に発見できた経験があります。
3. CI/CDツールの活用
CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)ツールを導入することで、自動テストやビルド・デプロイのプロセスを自動化し、迅速に問題を発見して修正できます。GitHub ActionsやCircleCIなどのツールが特に人気で、私も業務で活用しています。
4. ドキュメントの整備と共有
機能変更や仕様変更をドキュメントに明確に記録し、それをチーム内で共有することで、コミュニケーション不足からくるデグレードを防げます。仕様書や変更履歴を整備するのは少し手間がかかりますが、長期的には非常に効果がありますよ。
5. リファクタリングを定期的に行う
古いコードや複雑になりすぎたコードを定期的にリファクタリングすることも大切です。コードが整理されていれば、新しい変更がどのような影響を与えるかを把握しやすくなります。
それでもデグレードが発生したら?
どれだけ気を付けていても、完全にデグレードを防ぐことは難しいでしょう。では、デグレードが起きてしまった時にはどう対応すればよいのでしょうか?
- 迅速な切り戻しができる仕組みを整える
- 問題が発生した原因を追求し、再発防止策を立てる
- チーム内で共有し、知見として蓄積する
こうした対応を徹底することで、同じミスを繰り返さず、チーム全体のレベルを上げることができます。

まとめ:デグレードは誰にでも起きうる!
デグレードはエンジニアにとって避けて通れない問題ですが、その原因を理解し、適切な防止策を講じることでリスクを最小限に抑えることができます。
私自身も何度も経験を積み重ね、改善を繰り返すことで、現在は比較的スムーズに開発を進めることができています。この記事が皆さんの開発現場でのトラブル防止の一助になれば幸いです。
一緒にデグレードを乗り越えて、快適な開発ライフを楽しみましょう!