Linuxの隠れた名コマンド「less」と「more」を比較してみた!

今回は、Linux初心者が意外と知らないけれど、使いこなせると非常に便利なコマンド、「less」と「more」について徹底比較します。実際にどちらもよく似た機能を持つコマンドですが、それぞれ特有の便利さや使い方があります。この記事を読めば、普段のLinux操作が格段にスムーズになりますよ!


目次

lessとmoreってそもそも何?

LinuxやUnix系のOSで使われる「less」と「more」は、どちらもテキストファイルをページごとに閲覧できるコマンドです。ログファイルや設定ファイルを確認する際によく使われます。

簡単に言うと、どちらも画面に収まりきらない長いテキストファイルを分割して見るためのものです。しかし、その機能性や操作性には違いがあり、使い分けることで作業効率が大きく変わります。

見るならcatコマンドでよくね?となる人もいるかも知れませんがそのような人にほど読んでほしい記事です!

まずは、それぞれの特徴を見てみましょう。


「more」の特徴

「more」は古くからUnixで使われているシンプルなページャーコマンドです。

  • 基本的に上から下にスクロール
  • 次ページへの進み方はスペースキー
  • 一度に一方向のみの閲覧が可能(下方向)

例えば、以下のように使います。

more example.txt

表示は1ページごとに止まり、スペースキーを押すと次ページが表示されます。終了するには「q」キーを押します。

シンプルさゆえに操作は簡単ですが、閲覧の柔軟性が低いというデメリットもあります。


「less」の特徴

対して「less」は、「more」を改良して作られたページャーコマンドです。名前の由来は、「less is more」(少ないことは豊かである)という英語のフレーズから来ています。

  • 上下自由にスクロール可能
  • 前のページに戻ることも簡単
  • 検索機能も内蔵

基本的な使い方は次の通りです。

less example.txt

表示されたら、「j」で下、「k」で上に自由にスクロールできます。また、スラッシュ「/」を使ってファイル内を検索することもできます。終了は「q」で簡単です。


「less」と「more」の主な違い

ここからは、それぞれの違いをより詳しく解説していきます。

操作性

  • moreは次のページへの移動しか基本的にはできません。途中で前のページに戻るのは難しく、ファイル全体をざっと確認する程度の用途に向いています。
  • lessは上下左右自由に移動でき、検索機能もあるため、細かい情報を何度も確認したい時に最適です。

メモリ効率

  • moreは非常にシンプルでメモリ消費も低いですが、大きなファイルだと若干重さを感じることもあります。
  • lessも軽量ですが、大きなファイルを扱う際に最適化されています。数万行のログファイルなどでもスムーズに動作します。

検索機能

  • moreには基本的な検索機能がありますが、使い勝手は限定的です。
  • lessの検索機能は非常に強力で、正規表現を使った詳細な検索も可能です。

実際に使い分けるシチュエーション

「more」が向いている場面

  • ざっとファイルの内容を確認したい場合
  • 非常に軽量なコマンドが必要な場合
  • 単純に次のページに進むだけで十分な場合

「less」が向いている場面

  • 詳細なログファイルの解析が必要な時
  • ファイル内の特定の単語やフレーズを検索したい時
  • 上下自由に閲覧したい時

コマンドの便利な使い方(オプション紹介)

moreの便利なオプション

  • more -num:1ページの表示行数を指定できます。
  • more +/検索文字列 ファイル名:ファイルを開くと同時に指定した文字列を検索して表示できます。

lessの便利なオプション

  • less -N:行番号を表示します。
  • less +F:リアルタイムでファイルを追いかけることが可能で、ログ監視に最適です。
  • less +/検索文字列 ファイル名:検索文字列の位置から表示を始めます。

実際の現場での活用例

例えば、サーバー運用の現場でログファイルを監視する場合、lessのリアルタイム追尾機能は非常に便利です。

less +F /var/log/syslog

これでリアルタイムにログの更新状況を確認できます。

逆に、簡単な設定ファイルの内容をちょっと見るだけならmoreでも十分です。

more /etc/hosts

初心者におすすめはどっち?

結論として、初心者にもおすすめなのは断然「less」です!

理由はシンプルで、上下自由なスクロールや検索機能があり、操作性が非常に優れているからです

ただ、昔からあるシステムや古いスクリプトではmoreが使われるケースもありますので、両方覚えておくと安心ですね。

現場でその都度、臨機応変に使い分けてください!


まとめ

今回はLinuxの隠れた名コマンド「less」と「more」を比較して、それぞれの特徴と違いを詳しく解説しました。

シンプルで直感的なmoreと、高機能で操作性に優れたless、それぞれの特徴を理解して適切な場面で使い分けましょう。

「きらくにIT」では、今後もLinux初心者に役立つ情報をわかりやすく解説していきますので、ぜひまた遊びに来てくださいね!

最後までお読みいただきありがとうございました!

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