最近APIという言葉を耳にすることが多いかもしれません。 それほど普及している技術ですが、実際APIについて聞いたことがあっても何なのかわからない、何となくわかるけど具体的に説明できないのではないでしょうか? この記事では、APIについて初めて聞く人にもわかるように、メリットやデメリット、使い方などについて詳しく解説します。
APIとは?

APIとは、 「Application Programming Interface(アプリケーション・プログラミン グ・インターフェース) 」の略称です。
要するに、ソフトウェアやWebサービスの間を繋ぐルールや仕組みのことです。
例えば、AさんがCさんに情報を伝える際、情報を伝えるBさんを介して行う場合、
A→B→Cとなります。この時にBはAPIと同じ役目となっています。
APIの仕組み
基本的な仕組みは先ほどのABCの関係と同じで、リクエスト(先ほどのA)とレスポンス(先ほどのC)で成り立っています。
例えば、パスワードでログインする際、APIを使わないとそのサイトのサーバーに直接ハッキングされた際に情報が流出してしまいます。
そこで、APIを用いることで直接サイトのサーバーを介さないで、他のサーバーを介し、確認することでセキュリティを高めることができます。
また、APIにはいろいろな種類があり、HTTPリクエスト&レスポンスやJSON形式などがあります。
また、APIキーという認証用の鍵を用意されることで、APIをAPIキーで管理することで利用制限や不正利用の防止に役立てられることがあります。
APIのメリット・デメリット

メリット
- 簡単にサービスの機能を使える APIを使うことで本来必要な手続きが要らなくなり、スムーズにサービスを利用できます。
- 高度で複雑な情報処理ができる ログイン情報や個人情報の他、データ分析などの高度で複雑な情報処理をすることができます。
- 常に新しいデータを活用できる 最近ではパスワードを定期的に変えるよう催促してくるサービス会社も多いです。 また、ネットを使うことでパスワードを用いることも多くなり、パスワードの管理が大変になっています。 しかし、APIであれば新しいパスワードに変えたとしてもパスワードの情報を管理することができます。 いちいち、パスワードについて考えることなくスムーズにログインすることができます。
- 開発時間とコストの大幅な削減 アプリなどの開発に用いるプログラミング言語を用いなくてもAPIを使うことで、自分自身で高度な技術やセキュリティ面に時間を割くことなくなります。
- 売り上げが上がる可能性がある APIにより消費者が使い勝手が良かったり、面倒がないということでより商品を購入する機会が増えるのであれば売り上げが上がる可能性があります。
- アプリやサイトさまざまな面で使うことができるため、サービスの充実度も上がりやすくなります。
デメリット
- API提供元のサービスに不具合があると悪影響を受ける API提供元がサービスを停止してしまうと、APIの機能がなくなるため、自身のサービスを提供できなくなります。 また、何かしらのAPIの不具合があると自身のサービスを提供できなくなり、不具合が解決しないと大きな悪影響を及ぼすでしょう。
- APIの仕様変更の手間。 APIは仕様変更することができ、提供元が仕様変更すればこちらはそれに従うしかありません。 そのため、自社でAPIのシステムを構築した方が利用時のストレスを減らすことができるでしょう。
- セキュリティ対策をしないと大きな悪影響を受ける APIがハッキングされれば個人情報や大切な情報が漏洩する可能性もあります。 そのため、必要最低限以上のセキュリティ対策をしなければ非常に危険になります。
- 維持費の問題 APIを絶対使わなければいけないということではありません。 APIを他の会社に依頼すると費用がかかるため、本当にAPIが必要なのか検討することが大切でしょう。
APIの活用事例

Graf APIというデータの取得や更新、投稿などが可能なAPIを使っています。 例えば、FacebookとInstagramとのアカウントの連携もこのAPIを使っています。
X(Twitter)
Xでは、Xの機能を呼び出すことが可能になっています。 そのため、わざわざXのwebサイトにログインしなくてもツイート機能やハッシュタグなどの機能を利用できます。
そのほか、ポストした内容を分析して、今後のマーケティングや集客に利用できます。 YouTube YouTubeでは、youtube上の動画再生数やいいね数などの情報の取得が可能になっています。 また、動画を再生したユーザー層などの統計情報も取得できます。
freee
Freeeはクラウド会計ソフトで、APIを活用することで下記のことなどが可能です。 ・事業所情報の取得 ・スプレッドシートからfreeeの取引の登録 ・仕分け票のダウンロード
個人でも企業でも無料で利用ができ、経理会計を自動化することで人員削減や負担を減らすことができます。
Chatwork
Chatworkはビジネスチャットツールで、タスク情報の取得やチャット一覧の取得など多くの機能を手に入れることが可能です。
また、Zoomと連携させることでChatworkからZoomミーティングすることができます。 その他、ライブドアの天気予報やGoogleカレンダーとの連携も可能です。
そのほか
LINEやヤマト運輸ではMessaging APIという自動返信ボットなどを作れるコミュニケーションツールとして使っています。 ヤマト運輸の場合は、お届け予定や不在連絡などで利用されており、利便性も高いと言えるでしょう。
また、自動ツールになるためコールセンターなどの人件費も大幅にカットできているようです。 このようなツールは多くの企業でも導入されています。
APIの使い方
APIを使うためには基本的なweb知識や簡単なプログラミング知識などが必要になります。 また、セキュリティについてもある程度知っておかないと重大な責任問題になったり、犯罪に巻き込まれる可能性もあります。

使用料なども頭に入れておこう!
APIについて学ぶ方法
APIについてさまざまな書籍が出版されていて、基本から学ぶことができます。 また、youtubeやブログであればお金をかけずに学ぶことができたり、コードをそのままコピーして使用したりすることもできます。
そして何よりも公式からドキュメントが用意されていることが多いです。
最近は、ChatGPTなどの生成AIも発展しているので、公式ドキュメントを元に分からないところは質問してみたりするのもいいと思います!
また、挫折した時はオンライン(Udemyなど)で学習し、それでも厳しいようであれば、プログラミングスクールに通うことでわからないところをメンターに質問することで、よりスムーズにAPIに知識を身につけることもできます。
APIに詳しい方を雇えばこれらの勉強は必要ありませんが、自身でもある程度勉強しておいた方がトラブルが起こった時も対処しやすくなる可能性もあります。
ITに関わる仕事をしているのであれば、全くの無知では済ませられないほど普及しています。 まずは、お金をかけずに幅広く学べるところから初めてみるのがおすすめです。
まとめ
APIはすでに多くのサービスなどで普及しています。 もしかしたらAPIがわからないと時代についていけなくなる可能性もないとは言えません。 APIについて知っておくことで自分の身を守ることもできる可能性もありますので、今後も覚えておくと良いでしょう。
また、いろいろなAPIのサービスがあります。 APIの使用に費用がかかることがあるため、使用料についても決めておかないと予算が合わなくなる可能性もあります。 そのため、あらかじめAPI使用の予算を決めて、使用制限もかけることで使うことが大切です。