サーバーやLinux環境を触っていると、ロードアベレージ(Load Average)という言葉を一度は目にするはずです。
top や uptime コマンドを実行したとき、画面の右上や末尾に表示されるあの3つの数字です。
ただ、
「数値が高いとヤバいらしい」
「1を超えたら危険?」
「CPU使用率とは何が違うの?」
といったように、なんとなくの理解で止まっているケースも少なくありません。
ロードアベレージは、サーバーの“調子”を知るためのとても重要な指標です。正しく解釈できるようになると、障害の予兆に気づけたり、パフォーマンス改善のヒントを得られたりします。
この記事では、イメージできるように、具体例などを交えながらロードアベレージの見方を解説します。
実務で「どう役立つか」に重点を置いて説明していきたいと思います。
ロードアベレージとは何か
一言で言うと

ロードアベレージとは、
「CPUを使いたくて待っている処理が、どれくらい溜まっているか」
を表す指標です。
CPU使用率が「どれくらい働いているか」を示すのに対し、ロードアベレージは「どれくらい仕事待ちが発生しているか」を示します。
表示される3つの数字の意味
uptime や top を実行すると、次のような表示が出ます。
load average: 0.45, 0.60, 0.75この3つの数値はそれぞれ、
- 1分間の平均ロード
- 5分間の平均ロード
- 15分間の平均ロード
を表しています。
つまり、
- 直近で急に負荷が上がったのか
- しばらく前から重い状態が続いているのか
といった時間的な傾向を読み取るためのものです。
ロードアベレージを感覚的に理解する
たとえ:飲食店の厨房
ロードアベレージを理解するために、飲食店(ラーメン屋とか)の厨房を想像してみます。
- CPU:調理人
- プロセス:注文
- ロードアベレージ:調理待ちの注文数
CPUが1人の場合
調理人が1人しかいない場合、
- ロードアベレージ 1.0 → 注文がちょうど1件分、調理中。待ちはなし
- ロードアベレージ 2.0 → 1件調理中、1件待ち
- ロードアベレージ 5.0 → 1件調理中、4件待ち
つまり、数値が大きいほど行列ができている状態です。
CPUコア数が増えると話が変わる
最近のサーバーは、CPUが1つでも複数コアを持っています。
- 2コア → 調理人が2人
- 4コア → 調理人が4人
4コアCPUの場合
- ロードアベレージ 4.0 → 4人がフル稼働、待ちなし
- ロードアベレージ 6.0 → 4人稼働、2件待ち
このように、「ロードアベレージの数値そのもの」だけを見ても意味はなく、CPUコア数とセットで考える必要があるのが重要なポイントです。
「1を超えたら危険」は本当か?
単純な答え:ケースによる
よく「ロードアベレージが1を超えたら危険」と言われますが、これはCPUが1コアの時代の名残です。
現在では、以下のように考えるのが現実的です。
- ロードアベレージ ≦ CPUコア数 → おおむね問題なし
- ロードアベレージ > CPUコア数 → 処理待ちが発生している可能性あり
具体例で考える
例1:2コアCPUでロードアベレージが1.5
- 調理人2人
- 注文1.5件分
→ 余裕あり。問題なし
例2:2コアCPUでロードアベレージが5.0
- 調理人2人
- 注文5件分
→ 3件待ち。レスポンス低下の可能性大
このように、ロードアベレージは「CPUコア数との比率」で見るのが基本です。
CPU使用率との違いを整理する
よくある誤解
- CPU使用率が高い = サーバーが重い
- CPU使用率が低い = サーバーは元気
必ずしも、そうとは限りません。
CPU使用率が低いのにロードアベレージが高いケース
これは実務でよく遭遇します。
原因の代表例は、
- ディスクI/O待ち
- ネットワークI/O待ち
- ロック待ち
どういう状態か
CPUは暇そうにしているのに、
- ディスクからの読み書きを待っている
- 他の処理が終わるのを待っている
こうした「待ち状態のプロセス」もロードアベレージに含まれるため、CPU使用率だけでは見えない問題が浮き彫りになります。
3つの数値から何を読み取るか
1分・5分・15分の意味
ロードアベレージの3つの数値は、トレンドを見るためのものです。
パターン1:1分だけ高い
load average: 5.0, 1.2, 0.8- 一時的な負荷スパイク
- バッチ処理や一時的アクセス増加の可能性
→ すぐに下がるなら大問題にならないことが多い
パターン2:すべて高い
load average: 5.0, 4.8, 4.6- 長時間高負荷が続いている
- 慢性的なリソース不足の可能性
→ 要調査・要対策
パターン3:徐々に上昇
load average: 1.0, 2.5, 4.0- 負荷が増え続けている
- 将来的に障害につながる兆候
→ 早めの対応が有効
実務でのチェックポイント

ロードアベレージだけを見ない
ロードアベレージは重要ですが、単独で判断しないことが大切です。
合わせて確認したい指標:
- CPU使用率
- メモリ使用量
- ディスクI/O待ち
- ネットワーク状況
これらを総合的に見ることで、原因の切り分けがしやすくなります。
「普段の値」を知っておく
最も重要なのは、
そのサーバーにとっての平常値を知ること
です。
- 通常時:ロードアベレージ 0.5前後
- 繁忙時:ロードアベレージ 2.0前後
といったように、環境ごとの基準値があります。
普段から数値を意識しておくと、
「今日は明らかにおかしい」
とすぐに気づけるようになります。
アラート設計にも活かせる
監視ツールでアラートを設定する場合も、
- CPUコア数
- 通常時のロードアベレージ
を考慮せずに「1超えたら通知」では、誤検知だらけになります。
ロードアベレージの意味を理解していれば、適切な閾値設計ができるようになります。
一問一答で整理する
- ロードアベレージが0.0なら完璧?
-
処理が何も動いていない状態。問題ではないが、アイドル状態とも言える。
- ロードアベレージはCPU使用率の平均?
-
違う。CPUを使いたい処理の「待ち具合」を表す。
- コア数が多いほどロードアベレージは高くなっていい?
-
目安は「コア数以下」。それを超えると待ちが発生している可能性がある。
- 瞬間的に高くなっても問題ない?
-
一時的なら問題にならないことが多い。継続して高いかが重要。
まとめ
ロードアベレージは、一見すると分かりにくい指標ですが、
- CPUコア数とセットで考える
- 3つの数値で傾向を見る
- CPU使用率との違いを理解する
この3点を押さえるだけで、サーバーの状態をより正確に把握できるようになります。
数値の大小に一喜一憂するのではなく、
「なぜこの値になっているのか」
を考えるクセをつけることが、実務では何より重要です。
ロードアベレージを正しく解釈できるようになると、トラブル対応だけでなく、予防的な運用にも大きく役立ちます。
この後、余裕があれば、内部計算方法について、詳しく調べてみるのもいいかと思います。
日々のサーバー確認の中で、ぜひ意識して見てみてください。

